UDOKの決意

photo & text by R


年明けからいろいろなアイデアを出している割には、
なかなか具体的な進展のなかったUDOKづくりですが、
今日、3回目の物件調査をしてきました(まあ、3回ともおなじ物件なんですが)。


懸案だった「構造部分」の腐敗の状況の見極めが今回の主たる目的。
いわき市内で建築設計事務所を主宰している豊田善幸先生のご助力を頂き、
腐敗が深刻そうな部分のボードを外し、構造を見てきました。



今から十数年前に長屋を増改築し、
「腸詰めの加工工場」としてリフォームしたというこの場所。
加工の際に、相当量の水を床に垂れ流してきたらしく、
床に近い部分がボロボロになっている柱が数カ所見つかりました。
わかっていたことですが、そう簡単にはいきませんね。


ただ、柱を交換するなどの工事をすることで生き返る可能性も高いそうで、
リフォームの道のりは険しそうですが、やる価値は、ありそうです。
いや、やらなくちゃいけません。



ところで、こちらの壁は、もともとは長屋の外壁だった箇所だったらしく、
ボードを外すと、数十年前に作られたであろう土壁が隠されていました。
格子状に組まれた「木舞(こまい)」が、月日の流れを感じさせます。。
この建物がたどってきた歴史。
それがあちこちに隠されていて、この建物の懐の深さを感じずにいられませんでした。



ただの古ぼけた「元腸詰め工場」ですが、
この建物に連綿と刻まれた「遺伝子」のようなもが、たくさん見つかりました。
スクラップ&ビルドではなく、もともとあったものを活かすことで小名浜の歴史を引き継ごうという
UDOKのコンセプトともぴったり符号します。


「最初から100点を目指さず、赤点から出発して徐々に合格点を目指していけばいい」と、
豊田先生からも温かい激励の言葉も頂きました。
豊田先生にはもうお世話になりっぱなしで……この場所ができた暁にはたっぷりとご奉仕させてください。
今回も、ありがとうございました。



なんだかんだといろいろ問題のあるこの場所ですが、決めました。
あとは正式契約へと移り、実際の作業に入ります。
「UDOKができるまで」
完成の日は遠いですが、今日という日がUDOKにとっての大きな1ページとなるような気がします。
そんな、決意の2011年2月12日でした。



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